なんとなく、検査シーン回想。
お医者様~この怪しげな器械はなんですか?
「ウィーン」とか「ブゥーン」って、何やら淫靡な音がするのですが……。
こんな器械、入れられると思うととっても恐いです。
これまで幾人がこの器械の餌食に?
お医者様~この変な白い液体はなんですか?
粘り気のある白い液体を飲むのには抵抗があるのですが……。
これはアレですか?
飲みきれず口元にこぼす方がそそるから、わざと飲み難くしているのでしょうか?
であれば、私もダラ~とこぼしてみるべきか……。
でも、おかわりは勘弁なので、ここは飲み干す覚悟を決めますよ!
ゴクン。
うえ~苦いです~。こんなものを飲まされるなんて……しくしく。
お医者様~痛いです。それに、血が、血が出てます。
私、痛いことそして、血を見ることにも抵抗を感じるのですが……。
でも、どちらも仕方ことなんですよね。
だったら私、お医者様の為に我慢します!
お医者様の為ならこんな痛みになんて負けません。
こんな感じで各検査を終えた私(と付き添いの秘書。保護者同伴って私は小学生か……)は検査結果を確認するべくお医者様の元へ。
さてさて、結果は如何に。
ワクワク、ドキドキの私とは対照的に、お医者様は静かに「特に問題ありませんでした」と一言。
ちょ、おま、もう少し盛り上げようぜ! そんな風に結果だけを静かに告げられたら、この高揚感はどうすればいいんだよ? (医者に無茶言うな!
検査結果に特に問題がなかったことに安心と若干の物足りなさを感じつつ、診察室を後にしようとした折、お医者様がこんなことを言いました。
「本日はお疲れ様でした。祐司さんはもう結構ですが、お付きの方には少々お話が……」
!?
これはまさかアレですかな? ドラマなどでよく見かける……。
「○○さんの検査の結果、□□という病に冒されていることが判明しました」
「先生、その病気は治るんですよね?」
「……残念ながら既に手遅れです」
「そんな……」
などと、重大な病気であるが故に患者本人には告げず、先ずは周囲の人間に知らせ告知のタイミングを計るというアレか?
こんな鬱度120%なシーンがこれから診察室の中で繰り広げられようというのか……。
そんなことを考えながら待つこと十分。診察室から秘書が出てきました。
先の想像が気になっていた私は早速、秘書に伺いを立ててみました。
「お医者様のお話はなんだったんだい?」
「……」
!?
何やら秘書の様子がおかしい。これはやはりそうなのか?
「あの、どうしたの? いつもの君らしくないけど。私のことなら気にせず正直に話しておくれ」
「…………ません」
「うん?」
「信じられません!」
なんと!? にわかには信じられぬほど危険な病が発見されたとでもいうのか!
「それで、お医者様は何だって?」
「ビックリされていました……。こんなのは前例がないと……」
なんだってーー!!? じゃあ、死亡確定じゃん……。
くっ、二十四年という短い生涯だったOTL
「それで、それで、私を蝕んでいる病の正体は一体?」
「精神病ではないかと。特にお脳の損傷具合が激しいと……」
「それはアレか? 最近よく取り沙汰される精神疾患により身体にも影響が生じるという超難病のことなのか?」
「はぁ……仰っていることについては解りかねますが、身体には異常がないと先生も仰っていたはずですよ? それに、素人の所見でも精神異常なのは明らかかと……」
「そうか……では、まだ身体には影響が及んでおらず、精神疾患の段階であると……。であれば、治療の余地があると思うのだが? 信じられぬという程のことでもあるまい……」
「え~信じられませんよ。問診であんな風に答える人がいたなんて、重い病気が見つかるよりも驚きです」
「ふぇ? 病気、見つかってないの? じゃあ、お医者様と一体何を話していたんだよ? 私を省く必要なんてないじゃないか!」
「それは勿論、祐司さんの嗜好品についてですよ? あなたを省いたのは、先生も死人に鞭打つような真似をしたくなかったのだと思われますが……」
「ふん、患者に言いたいことも言えないなんて医者として失格じゃないか!」
「そうですか……では、私が先生の代わりにご忠告を……。まず、問診の内容を憶えていますか?」
「うむ、問題ない。記憶力には自信があるからな」
「では、あなたの嗜好品は?」
「嗜好品? そりゃ、『ツインテール』、『魔法少女』、『ロリ』だろ! ちなみに、錬成すると『なのは』が完成するぞ♪」
ブチブチ。
「あなたって人は~」
この後、一時間程、秘書のお説教を受けることになった私でした。
なんかね、アレみたいよ?
問診にて、お医者様に嗜好品を聞かれたから『ツインテール』、『魔法少女』、『ロリ』という私的三大萌え属性を正直に答えたのがいけなかったらしい。
やれやれ、自分が該当する要素がないからってあんなに怒らなくてもいいのにね。(多分違うと思う!
さてさて、私が誤ってしまった答えですが、ここでは『酒』やら『煙草』と答えるのが正しいようです。(知ってた?
全く、まわりくどいんだよ。酒、煙草について聞きたいのなら、ちゃんとそう聞いてよね!
お蔭で、また秘書に怒られちゃったよ……。
それはそうと、先生。
秘書に、精神科での受診を勧めたのは軽い冗談なんですよね?
まさか、本気って訳じゃないよね……。
その件については、我が秘書が丁重にお断りしたみたいですが、マジで勘弁して下さいよ~。私、窓のない部屋に軟禁されるのは嫌ですよ~。
それにね、先生。
『ツインテール』、『魔法少女』、『ロリ』を嗜むくらいで精神異常になるのなら、日本男児の九割はヤバイってことになりますぜ!
だから気にしない方向でお願いします。心配は無用なのです♪
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