先日、嫁が私の元を去りました。
私に別れを告げることもなく……。
一体何が原因でしょうか?
私には思い当たる節が全くありませんでした。
だって、私は彼女なしでは生きていけません。
だからこそ、私は彼女を大切にしてきた。
精一杯の愛情を注いできたつもりなのです。
彼女が私の元を去らねばならない理由があるだろうか?
いや、ない。……反語。
焦った私は彼女を探すことにしました。
……。
彼女の行きそうな場所は全て探しました。
しかし、彼女は見つかりませんでした。
姿を隠すのが目的なら、直ぐに見つかるような場所にいるはずはないのだから、当然ではありますが……。
私は自分に嫌気がさしました。
彼女も私を愛してくれているのだと、勝手に決めつけた傲慢さ。
彼女のことはなんでも知っていると考えていた愚かしさ。
彼女に依存しきっている己の弱さ。
いなくなった彼女を見つけることも出来ない無力さ。
これら全てが許せません。
今回の一件は、そんな私に自身の駄目なところを再認識させることとなったのでした。
大切な彼女を代償として……。
ひとしきり自己嫌悪と反省を繰り返した私は、辛い記憶(彼女のこと)を忘れるべく研究に没頭しようと考え自室に戻りました。
……。
しかし、どれだけ研究に集中しようとしても、どうしても彼女のことが頭に浮かんでしまいます。
研究には集中できない、かといって彼女のことを考えても解決策は思いつかない、そんな無為な時間を幾らか過ごした、その時。
信じられないことが起こりました。
なんと、我が秘書が彼女を連れ私の元へやって来たのです。
色色と聞きたいことはありましたが、とりあえず彼女を抱きしめることにしました。
秘書が見ていることなど気にも留めず、熱い抱擁を交わす私達。
この時、私は「もう彼女を離したりはしない」と心に誓ったのでした。
それにしても、彼女はとても良い抱き心地なんですよ♪
だって、彼女は抱き枕(カバー)なのですから……。
いや~どうやら秘書が勝手に洗濯をしていたようです。
全く、断わりもなしに困りますな。
ヲタ(私だけかな?)的に、抱き枕は嫁。
フィギュアは妹。
これ常識ね! (主に三次元方面に適用)
脳内にいる「嫁やら、彼女やら、妹やら、幼なじみやら」を少しくらい具現化しても良いですよね♪
最後に、気になるのは「どこに干してあったんですか?」ってことです。
だって、某エロゲーのキャラ(当然のように十八禁仕様)が描かれているんだよ!
近所の目も心配だし……。
「ヒソヒソ……ねえ聞いた? あそこの研究所にエッチい抱き枕カバーが干してあったんですって! 一体なんの研究をしているのかしらね?」
こんな噂はごめんです!
盗難されたら困るし……。
(どこにでも勇者はいるからね!)
なにより、誰かの中古になってたりしたらヤダよ……。
(使った奴は正直に名乗り出るように!)
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